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第8回「不随意運動」

自分の意思に関係なくひとりでに体が動いてしまう現象を「不随意運動」と呼びます。自分の意志で行う「随意運動」と対比されます。原則として緊張や感情の高まりで増強し、睡眠中には止まります。
運動をコントロールする神経経路の本幹を「錐体路」と呼びますが、それを補完する神経経路の代表として「錐体外路」があります。不随意運動はこの錐体外路の異常で起こるのが原則です。脳の病気である、脳梗塞や脳出血の後遺症、パーキンソン病などの神経変性疾患、脳性麻痺などの症状としてみられます。薬の副作用で現れることもあります。
不随意運動は運動の起こる部位、速さ、規則性の有無などによって次のようなものに分類されます。前述の錐体外路の中の障害部位の違いでこのように現れ方が異なるのです。

1.振戦:簡単に言えば震えることですが、いろいろなリズムや規則的性をもって震える現症で、四肢、頚部、体幹など全身のどこにでも起こります。振戦は不随意運動のなかで最もよく見られ重要ですので次の第9回で詳しくご説明致します。
2.バリスムス:四肢を振り回すような大きく激しい不随意運動。脳梗塞や脳出血で見られることがあります。
3.舞踏病:首、背骨、上下肢の近位部(付け根に近い部分)に起こる素早い不随意運動。ハンチントン舞踏病などでみられます。
4.アテトーゼ:手足や頭をゆっくりとくねらせるような動きをする不随意運動。脳性麻痺や代謝異常などでみられます。
5.ジストニア(ジストニー):筋肉の緊張の異常によって異常な姿勢、肢位をとるもの。頸部(けいぶ)の異常姿勢を示す痙性斜頸(けいせいしゃけい)や、字を書く時にだけ手に変に力が入り書きにくくなる書痙(しょけい)もジストニアの1種です。
6.ミオクローヌス:筋肉が瞬間的に急にピクッと収縮する不規則な不随意運動。健康な人でも入眠時に起こることがあります。亜急性硬化性全脳炎やクロイツフェルト・ヤコブ病などの神経の病気でも見られます。
7.口(くち)ジスキネジー:持続的に口をもぐもぐさせたり、舌をペチャペチャさせるような不随意運動。ゆっくりとした規則的な動きです。
8.心因性不随意運動:精神的ストレスが原因で起こる。体や神経の異常でなく、本来の不随意運動ではありません。治療法も大きく異なります。運動の様子が似ている場合には両者の区別が難しいこともあります。

次回、第9回は「振戦」です。

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