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第6回「脳脊髄液」

神経内科ミニ知識6脳脊髄液

頭蓋骨の内側に脳がありますが、脳は外側から順に、硬膜、くも膜という2層の膜に囲まれています。更に、脳の表面には軟膜という名の薄い膜が張り付いていますので、脳組織の外側には外側から順に、硬膜、くも膜、軟膜という3層の膜があることになります。そして、くも膜と軟膜の間の空間(「くも膜下腔」と呼びます)には液体(「脳脊髄液」、略して「髄液」と呼びます)が存在するため、脳は脳脊髄液のなかに浮いていることになります。脳の内部には側脳室、第3脳室、第4脳室と名づけられる脳脊髄液で満たされたスペース(脳室)があり、くも膜下腔につながっています。一方、脳はそれと同じ成分の組織である脊髄(腰の部分まであります)とつながっていますので、脳と脊髄を一体とする塊は脳脊髄液のなかに浮かんでいることになります。
脳脊髄液は全身で125-150mLほど存在しますが、脳室の中にある脈絡叢という、荒い網目で薄いナイロンたわし状の組織で1日450mL産生され、全身の脳・脊髄の周りを回って、頭蓋骨の下のくも膜下腔にあるくも膜顆粒という組織で吸収されます。脳脊髄液の成分は薄い、蛋白、糖、血球を含んでいますが無色透明で、病気になると様々な色を帯びてきます。脳脊髄液には、通常70-180cm水柱程度の圧がかかっていますが、外傷などでくも膜に傷がつくと脳脊髄液が外部に漏れるため脳脊髄液の圧が下がり、めまい、立ちくらみその他の不定愁訴の原因となります。この状態は、近年、「低髄液圧症候群」、「髄液漏出症候群」、「髄液減少症」などの名で呼ばれますが、明らかな外傷歴がなくても起こることがあり診断に注意が必要な疾患として知られています。

次回、第7回は「バビンスキー兆候」です。

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